小さな子どもがいると出かけるところを探すのも一苦労。レジャー施設もいいけれど、お金もかかるし、できれば屋外でのびのびと遊ばせたいですよね。そんなときは平和島に行ってみませんか?
平和島には、緑豊かでアスレチックもある平和の森公園と、大きなローラースライダーと海辺で遊べる大森ふるさとの浜辺公園が隣り合っており、どちらも子どもは大喜びしてくれるはず! また、近くの商店街でテイクアウトをして、芝生の上や砂浜で子連れピクニックを楽しむこともできるので、大満足な休日が過ごせそうです。
そこで今回は、実際に平和島でピクニックをする親子連れに密着してみました。一緒に楽しみながらレポートしていくので、参考にしてみてください!
まずは平和島駅から公園に向かう途中にある美原通りの商店街で、ピクニックの準備です!
商店街グルメでピクニックをすれば、買い物も楽しめ、お弁当を作る手間も省けるので一石二鳥。ただ、大田区はどの公園内にもゴミ箱の設置がなく、ゴミは各自要持ち帰りとなっているようです。そこで今回は、ゴミがかさばらずコンパクトになるテイクアウトグルメをテーマに買い物をしてみました。
まずは環七から右手へ進むと、気になる幟(のぼり)のお店「オイナリアン」を発見!
こちらは昨年10月にオープンしたばかりで、なんと本土初出店! 那覇、石垣島、宮古島に続いて、5店舗目をなぜ平和島に?と尋ねたところ、「大森ふるさとの浜辺公園の雰囲気が沖縄っぽかったのと、“島”つながりで」とのこと。理由のゆるさも沖縄っぽくていい感じです(笑)。こちらのいなりは浜辺公園の売店でも販売しているそう。海風を感じながら食べたらきっと格別ですよね!
沖縄いなりとは、薄い油揚げに酢飯がたくさん詰まったいなりのことで、関東のいなりのように醤油ベースではなく、南国でも痛みにくいようにお酢を多く使用しあっさり味が特徴です。甘酢のいなりとガーリックの効いたチキンのコンビは、沖縄県民が大好きなソウルフードなのだとか。
店員さんに「あっさりとパンチのある味を交互に食べるのが沖縄流です。無限に食べられます」と教えていただいたので、セットで購入。いなりはパック入りと個包装が選べたので、食べやすいように個包装にしました。無限いなりチキン、楽しみです。
所在地:大田区大森東1-4-2
TEL:03-6404-6918
https://oinalian.tokyo/
商店街で地元の方が途切れることなく訪れていたのが、手作り惣菜のお店「味菜」。店頭には、揚げ物や煮魚、お弁当が豊富に並び、サラダや煮物など、野菜たっぷりの副菜も大充実でした。
調理担当のご主人はこの道50年の大ベテラン。店頭でサービスを担当されているのは娘さんたちで、この地で30余年、ご家族で切り盛りされているアットホームなお店でした。お弁当のほか、食卓の「もう一品」を購入しに来る地元の方も多いそうです。
ショーケースを指差して親子で一緒に買い物を楽しみました。子どもが好きなものを中心に、おすすめのものをいくつか選ぶと、「お箸は何膳? すぐ食べる? 食べやすいように切りましょうか?」。人情味あふれる応対にじーんとしてしまいました。こういう買い物体験も、子どもにさせたい貴重な体験ですよね。
住所:大田区大森東1-5-1
TEL:03-5471-0336
お次は、環七を渡って逆サイドへ。「御菓子処 大黒屋」は、THE和菓子屋という佇まいの老舗でありながら和菓子と洋菓子のショーケースが並ぶ、斬新なお店です。3代目がパティシエだったことから、和菓子とともに和の要素を取り入れた洋菓子も販売するようになったそう。
名物の「のり大福(160円)」は、四万十の青のりを使用した香り高い逸品で、取材中もまたたくまに売れていきました。海苔の豊かな風味の後にあんこの甘さがやってくる唯一無二の味わいは、常連のファンが多いというのも納得。手土産にも喜ばれそうです。
4代目が考案した「美原どーなつ(200円)」は大田区のお土産100選にも選ばれた新名物。和菓子で使う素材を生かし、油で揚げずにオーブンで焼いたさっぱりとした食感のドーナツで、プレーン、海苔、紅茶、チョコレート(季節限定)、レモン、イチゴなど種類も豊富です。子どもにも人気だそうです。
そして、毎年梅雨明けの翌日から8月末まで、期間限定でかき氷も販売されます。「梅雨が明けたら大黒屋でカキ氷が食べられる!と、子供たちに季節を感じるきっかけにしてほしい」という思いから。夕方の15〜18時に販売するのも、「夏の暑い日に元気に外で遊んで、大黒屋に寄ってカキ氷を食べてクールダウンして帰ってもらうため」だとか。子どものお小遣いで賄えるよう150円からとお手頃価格にしてくれるなど、こちらのお店が地元で愛され続ける理由がよくわかりました。
所在地:大田区大森本町2-31-9
TEL:03-3761-6108
商店街の奥にある「クレセント&モーリー」は、添加剤やマーガリンを一切使わず、天然酵母の生地で作るパンが自慢のベーカリーです。平和の森公園のすぐ近くにあり、いつも大盛況のお店なのですが、今回は雨のおかげでゆったりと買い物することができました。店内にはイートインスペースもあり、リードフックの設置やワンちゃん用のパンの販売など、愛犬家への心遣いも万全です。
また、こだわりのパン屋さんでありながら、菓子パンや惣菜パンも多数取り揃えてくれているのも、子連れにはありがたいところ。子どもの好きなハンバーガーや焼きそばパンもありました。
「子どもは自分の好きなものにまっすぐです。だからこそ、天然素材を使った美味しい生地で、親しみやすい惣菜パンを作っています」と店長さんが教えてくれました。
店長さんに、大田区の手土産100選にも選ばれた看板商品「三日月あんぱん」誕生のきっかけを聞いてみました。お祖母様が昇月堂という和菓子屋を営んでいたため、店名や自家製あんこを活かしたいという思いから試行錯誤を重ねてできたそうです。「三日月型の型がなかったので、地元の工場でお願いして作ってもらいました」と自慢の型も拝見し、さすがはモノづくりのまち・大田区!というお話も聞かせていただけました。
所在地:大田区大森本町2-7-24
TEL:03-6423-0464
https://www.instagram.com/crescent_and_molly/
平和の森公園にはいくつか出入口があります。クレセント&モーリーの角を右手に曲がり、徒歩2分ほどのところにある出入口を入ると「ひょうたん池」の近くに出られました。
まずは案内板で園内マップをチェック!
トイレは各所にありますが、園内に売店はありません。飲食は持ち込みが基本になりますが、ゴミ箱はないので、ゴミ袋持参のうえ、ゴミがかさばらないように工夫しておくと良いでしょう。
アスレチックがある南側は環七を渡り少し距離があるので、食後に回して、まずはピクニックできそうなエリアへ移動。噴水のある大きな芝生エリア「平和の広場」もありましたが、近くにあった「見晴らし広場」を目指しました。
取材当日はあいにくの小雨模様でしたが、おかげで混雑もなく、雨上がりの新緑の美しさも楽しめました。天気の良い日はテーブル付きベンチや芝生の木陰は争奪戦になりそうなので、逆にラッキーだったかも。さっそく、テーブルに広げて商店街グルメをいただきましょう。
商店街の4つのお店で購入したグルメがこちら。パン、いなり&チキン、揚げもの系と茶色いグルメ尽くしですが、子どもと一緒に商店街で選んだ、大満足のご馳走です!
大好きなハンバーガーを食べてのこの笑顔!うれしそうに頬張っている子どもの姿を見て、私も思わずほっこりしてしまいました。
お母さんの選んだクロワッサンは、サクサクで芳醇なバターの風味が美味しかったそうです。そして、沖縄いなりは甘くてあっさりと子どもにも食べやすく、ガツンとしたチキンとの緩急に、「本当だ!む、無限に食べられる!」とみんなで盛り上がりました。
個人的には、味菜の「とうふのねぎしょうが」という惣菜が、フワフワ食感で美味しかったです。「キーマカレークノーデル」は、カレーが辛めの大人向けカレーコロッケで、おつまみになる味でした。
噴水のある「平和の広場」はこんな感じ。晴れていたら子どもたちが元気に走り回るのにぴったりの広場です。空を見上げながら、のんびり過ごすのもいいですね。
広場に隣接している「みどりの縁側」というスポットも発見。トイレや自動販売機、休憩スペース、工作するスペースもありました。事前予約制で「セミの羽化観察」や「公園にいる昆虫の観察」などのイベントも行っているそうです。
広場の近くには、ブランコやすべり台など遊具のある場所もありました。子どもが思いっきり遊ぶには最適な環境ですね。木陰にあるので、日差しが強い日でも直射日光は避けられそうです。
広場の横の小径は、ここが平和島駅のすぐ近くとは思えないほど緑豊かで、森林浴が楽しめます。「軽井沢に来ています」と言っても通じるかも。この道を南へ進み、アスレチックのある側へと向かいました。
平和の森公園には、小学生以上が対象の有料のフィールドアスレチックがあります。全40種目、水上コースもある本格的なアスレチックで、その規模感にびっくり! 大人も十分に楽しめます。そして入場料が大人360円、小中学生100円と格安なのも魅力的! フィールド外の、少し離れた更衣室にはシャワーとロッカーが設置されているので、着替えを準備しておけば、さっぱりと汗を流してから帰ることができます。
そして、小学生未満の幼児には、隣に無料のアスレチックエリアもあります。無料とはいえ、小学生未満なら存分に楽しめるクオリティでした。マンモススライダー(滑り台)、スパイダーログ(ロープのぼり)、ホープボックス(ロープネット)、スネークダイビング(トンネルくぐり)という4つの遊具があります。どれもしっかりとした遊具ながらコンパクトなので、小さい子でもママが寄り添いながら安全に遊ばせてあげられそうです。
荒天時やコンディションが悪い時には閉鎖となるのでご注意ください。
平和の森公園をさらに南へ進むと、隣接して「大森ふるさとの浜辺公園」があります。入口には「大森 海苔のふるさと館」があり、海苔の産地として栄えた大森の海をテーマにした、平和の森公園とはがらりと雰囲気の異なる海辺の公園です。
公園に入るとまず見えてくるのが、広々と見晴らしのいい丘の上から続く、長いローラースライダーです。頂上にアスレチックのような遊具がついているので、すべる前にも楽しめます。
その奥には、ブランコと、幼児が乗って揺らして遊べる遊具があります。大田区公式PRキャラクターの「はねぴょん」も発見!
ローラースライダーのある丘から少し先に進み、橋を渡ると白い砂浜が見えてきました!
東京にこんな素敵な砂浜があったなんて……。
泳ぐことはできませんが、海辺を裸足で歩いたり、砂遊びを楽しんだりすることができます。波のない遠浅の海なので、小さな子どもでも安心して遊ばせられそうです。子どもの磯遊びデビューにももってこいですね。
浜辺を囲むように屋根付きのベンチが設置されていて、大人もほっと一息つけます。
ノウゼンカズラやアメリカデイゴの花が咲き、南国の雰囲気満点です。オイナリアンの方が言っていた「沖縄っぽい公園」という表現にも納得。海風を感じながら、リゾート気分で休日が過ごせそうです!
浜辺から少し奥まった位置には、芝生エリアもありました。テーブル付きベンチのほか、屋根付きのベンチも設置されているので、木陰でひと休みすることもできます。
浜辺を望む位置に、誰でも利用できる無料のレストハウス(休憩所)もありました。きれいなトイレや自動販売機のほか、靴を脱いで遊べる小上がりのキッズスペースや授乳室も完備。そのほか、外側には足洗い場もあるので、思いっきり砂遊びを楽しんでも大丈夫! ビーチバレー場やフットサル場を使用する方のためのロッカーとシャワーがある更衣室もあります。レストハウス内と外には軽食を販売している売店もあるので、小腹がすいても安心です(売店は土日祝のみ営業)。
売店で購入したものはもちろん、持ち込みもOKなのですが、レストハウス内のゴミ箱は、施設内に設置された自販機で購入した飲み物のみ処分可能とのこと。ゴミは要持ち帰りです。
今回一緒に回った子どもは「美原通りの商店街で買ったハンバーガーや焼きそばパンが美味しかった。いろんなところに行けて楽しかった!」と喜んでいました。
もちろん大人も大満足で、平和島でのんびりとした休日を満喫できました。お金をそんなにかけなくても、商店街で買い物を楽しみ、公園の自然に癒され、思う存分リフレッシュすることができました。ぜひみなさんも平和島に遊びに行ってみてくださいね!
本記事のライター:宮原香菜子
日本大学芸術学部写真学科卒。情報誌や旅行ガイドブックの編集プロダクションを経て、フリーランスのライター・編集・ときどきカメラマンに。街歩きやグルメ取材、旅先のリアルなレポート記事を得意としています。趣味と実益を兼ね、おてんば盛りの小学生の娘が思いっきり遊べて、大人も楽しめるスポットを日々発掘しています。ママライターとして子育てに役立つ情報をWebや雑誌で発信中です。
監修:松本里美/三好順