残暑も厳しい今年の夏ですが、こんなときこそおいしいのが、外で飲むビール!
飲食店の多い蒲田なら、きっといいお店が見つかるはず。インターネットで調べて見つかったのは、なんと屋上テラスでBBQできちゃうお店!
どうせならたくさんで飲む方がいい!ということで、屋上飲みメンバーを大募集。夏の疲れを癒したい人、ビールがただただ飲みたい人など全部で4人集まり、蒲田に向かいました。結果、ビアガーデンまではしごして、蒲田の屋上飲みを1日で思う存分堪能することに。その模様をレポートします。
蒲田駅は、JR京浜東北線と東急池上線、多摩川線が乗り入れるターミナル駅。蒲田駅には数多くのテナントが入る駅ビルが併設され、駅周辺には居酒屋、レストラン、カフェなどの多種多様な飲食店が軒を連ねています。「大田区で飲むなら蒲田!」というイメージを持つ人も多く、私もそのひとりです。
蒲田駅での待ち合わせにおすすめなのは、JR側の中央改札です。東急線の改札からだと徒歩2分ほど。
中央改札を出て右側にある下りエスカレーターの先が、蒲田の街中に繋がっています。エスカレーターを降りるにつれて湿気と気温が高くなっていくのを感じ、「早く飲みたい!!」と焦る気持ちを抑えながら1軒目のお店に向かいました。
エスカレーターを下り地上に出て右手に進むと、蒲田工学院通り商店会が見えてきました。行列ができる話題のお店や人気チェーン店が並ぶ飲食店激戦ゾーンの活気に「飲むぞ!」という気持ちが前のめりになってしまいそう。
あらかじめ予約をしておいた焼肉店「蒲田焼肉 東京BeeN」は、商店街に入って10mほどの場所にありました。
商店街に馴染む小洒落た焼肉店という雰囲気で「本当にここで屋上飲みができるの?」とドキドキしながら入店。
お店の方に案内されるがまま建物内にある狭めの階段を昇り、屋上へと続く扉を開けると、そこには…
リゾートホテルのテラス席のような空間が広がっていました!
大きなテントの中には、ふかふかのシートが敷かれた大きめのソファーが設置されていて、ここで食事をすることを想像するとワクワクせずにはいられません。
屋上スペースを囲むような造花のグリーンが程よく周辺からの目隠しになっていて、プライベート感高しです。青空がグッと迫ってくるように感じられました。
本格的なバーベキューの設備を前に、まだ食事が提供されていないにも関わらず、写真撮影大会がスタート。「ちょっと飛ばし過ぎでは? こんなペースでシャッターを切っていたら何枚写真を撮ることになるのだろう」と思いつつ、あまりのオシャレさに私もすっかりリゾート気分になって、映える角度を探して気づけば撮影大会に参加していました。
青空にグリーン、テント、ソファー、そしてバーベキューグッズがこれほどまでに映えるとは……! 普段はアウトドアな趣味をほとんど嗜むことがない私にとって新鮮な気づきでした。
ラグジュアリーな映え空間を前に忘れてしまいそうになりますが、ふと我に返ると暑さが気になりました。しかし、ミストつき扇風機があるので大丈夫! 扇風機の前に立つと一気に清涼感が感じられ、屋上のオアシスのよう。参加メンバーと交代で、扇風機の前で涼むことで暑さ対策をしながら準備を開始しました。
まずは、屋外BBQの設備をチェック。
フードのセットにプラスの料金を払えば、サワー系のアルコールドリンク、ハイボール、生ビールの樽をサーバーでいただけます。これは滅多にない体験、楽しくないわけがない!
屋上スペースには、小さな洗面台や冷蔵庫まで設置されています。冷えたグラスに氷を入れてドリンクを作れる嬉しいサービスもありました。
「蒲田 private BBQ “BeeN the sky”」は、施設利用料のみを支払って、ドリンクやフードを持ち込みしてBBQをするという使い方もできるそうです。
「どんなものを持ち込みたい?」と話していると、「焼きマシュマロが作りたい」「やかんを持ってきて熱燗を飲みたい」などいろいろなアイデアがでて会話が弾みました。
お皿やお箸、調味料なども用意されているため、手ぶらで気軽に来られるBBQ。片付けが不要なため、片付けの手間や時間を気にせずに、お肉を焼く時間、食べる時間を思いっきり楽しめて最高です!
予約しておいたのは「BBQ気軽セット」です。カルビ、ハラミ、鶏の手羽先など6種類のお肉と野菜盛り、ホルモン焼きそばがついた気軽ながらしっかりBBQを満喫できるラインナップ。
火をつけるのに少し手こずりましたが、お店の方が優しく教えてくださり、ようやくBBQの出発点に辿り着けました。火の付け方や焼きそばの焼き方はマニュアルがあるので、それを見ると失敗なく進められそうです。
お肉のかたまりが鉄板に乗る様は、迫力満点! 焼き目がついていく過程全てを写真に収めたくなるほど写真映えしていました。
暑い中、腕まくりをして汗を拭きながら焼いたお肉は格別。こうしてひと手間かけるからこそのおいしさがあるのです。
食材はなかなかのボリュームがあるため、途中から食べるチームと焼くチームに分かれることに。テンポよく焼いていくと、全種類を同時にテーブルに並べることだってできそうです。
大体の食材が焼き上がったら、いい感じにセッティングして乾杯! グラスやタレのお皿は程よい高級感があって、さすが焼肉専門店といった感じ。一般の人が料理したものでも、美味しそうに見せてくれます。
外だと日差しが心配だったりしますが、テントが席全体を覆っているため、日除けになっています。これなら多少の雨が降っていても平気そうですね。
お肉は、贅沢に分厚く切っていただきました。焼肉のタレやレモン汁など、味変も可能。
焼き立てということ以上に、自分たちで焼いたという事実が、食事をより美味しくしてくれているように感じました。
プリプリのホルモンが乗った焼きそばは、味付けや火加減に焼いてくれた人の個性が出ます。
炭水化物もしっかり取れるため、いつの間にかお腹は膨らみ、心も満たされていました。
お肉やお野菜を焼いているうちに、少し陽が傾き、ムーディーな雰囲気に様変わり。
お腹も満たされ、クールダウンしていると、風に流されて電車の発着音が響いてきました。普段は気に留めない些細なことも、この素敵空間のフィルターを通すとすべてが特別に感じられます。
BBQで使用した食器などを片付けていると、ここを訪れる前よりもチームの絆が深まっていることに気づきました。
「蒲田 private BBQ “BeeN the sky”」は4名から予約可能で、これまでに最大16名で予約をしたグループがいたそうです。たくさんの人数で楽しみたくなるのも納得の、満足度の高いお肉の量と質、そして盛んなコミュニケーションが生まれる特別感のあるBBQでした。
所在地:東京都大田区西蒲田7-4-9(蒲田焼肉 東京BeeN屋上)
アクセス:JR線、東急池上線・多摩川線「蒲田」駅から徒歩約3分
TEL:03-6428-7029
https://beenthesky.owst.jp
屋外飲みの魅力にすっかりハマった一同は、蒲田でビアガーデンをはしごしてみることにしました。蒲田駅に戻ってきて、東急プラザ蒲田の「屋上かまたえん」で開催されている「ソラキンガーデン」を覗いてみることに。
夕方の蒲田駅の雑踏をかき分け、屋上へと続くエレベーターに乗り込みます。1杯目のドリンクは生ビールにしようか、サワー系にしようかとワクワクしながら向かいました。
エレベーターを降りるとまず目に入ったのは、カラフルなマイクロEVキッチンカー。オシャレ屋台といった感じでキャッチーな見た目です。
キッチンカーでお料理やドリンクを準備するスタッフさんたちのフレンドリーで気取らない接客も印象的でした。
「屋上かまたえん」のシンボルは、カラフルな「幸せの観覧車」です。
1968年に初期の幸せの観覧車が設置され、それから45年間地域の人々に愛されながら営業を続けてきたそうです。現在は都内唯一の屋上観覧車として、蒲田で暮らす人々と蒲田を利用する人々を見守ってくれています。
いつも以上にすっかり和気あいあいとしたチームで、この日二度目の乾杯! 東急プラザビル屋上を漂う蒲田の空気を感じつつ、幸せの観覧車を眺めながらの一杯は至高でした。
「ソラキンガーデン」のコースはお料理の品数によって価格が異なる3種類で、どれも飲み放題つきです。今回は贅沢にお料理8品とカレーライスの食べ放題、ドリンク飲み放題がセットになった5,200円(税込)のプランCを選びました。
ドリンクは、生ビールやサワー系の他に、ソフトドリンクを選ぶこともできます。注文時にお願いすれば、通常よりも大きめのデカカップに入れてもらうことができる裏技も。
陽が落ちて少し風が強くなってきましたが、ほとんどが重さのあるグラスとお皿のため、風に飛ばされる心配をすることなく、とことんこのハッピーな時間に集中することができました!
フードが全体的に黄色っぽい色味なのは、カレーがテーマだから。カレー専門店「ホクトカレー」がプロデュースしているそうです。スパイシーな香りと、元気がでるカラーに心が躍り、前のめりになって何種類ものフードをお皿に盛っていました。
カレー風味の鶏肉は、辛いというよりは、食欲をそそりお酒が進むようなエスニックな味付けが魅力的!
この日2度目の登場となった焼きそばですが、「ソラキンガーデン」の焼きそばはスパイスがかかっていて、細めかつかための麺がおつまみとして最適。
5,200円のコースにのみついてくるサービスとして、本格スパイスカレーの食べ放題があります。見た目以上にまろやかで、奥行きのある味の本格的なカレーライス。お酒と炭水化物の組み合わせが大好きな私にはたまりませんでした。
幸せの観覧車と「ソラキンガーデン」の電飾が18時にライトアップされると、それに気付いた人々が空を見上げる姿が。
今年の夏はとくに厳しい暑さで心身ともに疲れが溜まっていましたが、夏の夜の空と風が心地よくとても癒されました。
「ソラキンガーデン」には3時間ほど滞在しましたが、空の色とライトアップされた幸せの観覧車との組み合わせで、見える景色がどんどん変化していきました。
ほろ酔い気分で眺める観覧車は、まさに非日常。「明日からまた頑張ろう」という気持ちにさせてくれます。
所在地:東京都大田区西蒲田7-69-1(東急プラザ蒲田屋上)
アクセス:JR線、東急池上線・多摩川線「蒲田」駅直結
TEL:080-7413-1902(予約専用番号)
https://kamata.tokyu-plaza.com/news/news.html?_id=4294
屋上飲みは、天候に左右されたり予約が必要だったりする側面もありますが、心地よく楽しく過ごせます。家族や友人、仕事仲間など、身近な人にも教えてあげたくなる素敵な雰囲気と美味しくて個性あふれるフードを提供するお店ばかり。
蒲田の街中のざわめきを感じながらの屋上飲みは、暑さと騒がしさから逃避して、これまでに気づかなかった大田区の楽しみ方に気づくことができました。
本記事のライター:岩井なな
プロフィール:
大学時代にオーストラリア、アメリカ、フランス、タイへの一人旅を経験。新しいもの、歴史を感じるものに関わらず、美しい建築に目がない。そのため、休日にはオシャレホテル宿泊、美術館や図書館巡りをして過ごしている。
現在は、東京都と富山県の2拠点生活を送る取材・インタビューライターとして、旅メディア・地域情報メディアを中心に活動。可愛いキャラクターが大好きで、大田区公式PRキャラクター「はねぴょん」がお気に入り。
監修:松本里美/三好順