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  • 2024.7.28
  • その他

これぞ夏!羽田神社例大祭の「ヨコタ担ぎ」がすっごく豪快だった!

夏といえばお祭り!大田区には、大量の水が飛び交う「水止舞(みずどめのまい)」をはじめとしたインパクト大のちょっと珍しいお祭りがいくつかあると噂に聞いていました。せっかくだから、今まで行ったことないお祭りに行ってみたいと思い立ち、SNSでいろいろ調べてみることに。インスタのリール動画でふと羽田神社のお神輿「ヨコタ担ぎ」の様子が流れてきて、倒れてしまうのでは!?と思うくらい上下・左右に揺れるお神輿に釘付けに!せっかくなら生で見てみたい、このお祭りを体験してみたいと思い行ってみることにしました。

羽田神社の夏季例大祭とは?

羽田神社の夏季例大祭、通称「羽田祭り」は、毎年7月の最終土曜日・日曜日に羽田神社とその周辺で行われる夏のお祭り。令和6年は、7月27日28日に開催されました。メインイベントとして14基の神輿が街を練り歩き、担ぎ手だけで約3,000人の参加者が集うといわれています。見物客も含めると30,000人が訪れるこのお祭り、夏祭りの賑わいを体験するにはもってこいのイベントです!

このお祭りが特に有名なのは、お神輿を左右に倒すダイナミックな動きが特徴的な「ヨコタ」担ぎというスタイルにあります。右側が跳ね上がると左側がしゃがみこむ、これを交互に繰り返すという力強い演出が見ものなのだとか。担ぎ手のパフォーマンスが楽しみです!!

早朝の人だかりにびっくり…!大鳥居駅から羽田神社まで歩いてみた

最初のお神輿が午前8時に出発するため、午前7時半すぎに、羽田神社の最寄駅である京急線「大鳥居」駅に到着しました。早朝の大通りは一見静かですが、羽田神社に近づくにつれて、徐々に人だかりが…! さまざまな色の法被を着た担ぎ手たちが集まっていました。

そわそわした雰囲気が漂う羽田神社で、お神輿の出発を待ちました。

8時ぴったりになりお神輿が出発すると、担ぎ手たちがその周囲を取り囲み、まさに全員参加のお祭りといった感じで一瞬でボルテージが最高潮に!「あいっさー」と威勢のいい掛け声が響き渡る中、ゆっくりとお神輿が進みます。

お神輿のルート確保のため、警察車両が公道を封鎖し、厳重な態勢が敷かれていました。写真撮影をしようと近づくと、お神輿を囲む担ぎ手たちの迫力に圧倒されます。

夏真っ盛りの開催ということで、水分補給ができる休憩所も設置され、地域のみなさんの協力体制を感じることができました。

水分補給所にいるのも法被を着た地域の人で、お神輿の近くを見ても担ぎ手だらけ。法被を着ていない人のほうが珍しいという状況と、これが日曜の早朝の出来事だと思うとかなり独特です。

お神輿やおはやしを先導するのは、天狗のお面をつけた人です。道端の子供たちと交流するなど、意外にフレンドリーな姿にギャップを受けました。
それでも、規制された公道の真ん中をゆっくり歩き出すと、お祭り特有のどこか厳格な空気が張り詰めます。その様子を道路沿いの民家や店舗の中、道端から地域の人々が見守ります。

午前中はお神輿1基のみが出発し、残りのお神輿は午後に京急線「天空橋」駅が最寄駅の「弁天橋」から出発するとのことで、それに備えることにしました。

露店でにぎわう羽田神社の境内

お昼すぎに境内に戻ると、ところせましと露店が並び、老若男女のお客さんで大賑わい!浴衣で訪れている人もたくさんいて、より夏祭りのムードを感じられました。今年初めてのお祭り参加だった私にとって、浴衣姿の人々と賑やかな露店の雰囲気に心が躍り、冷やしパインやベビーカステラを手に、次のメインイベントへ向けて期待感がさらに高まりました。

露店出店はコロナ渦に入り中止していて、昨年より復活。家族やカップルでにこやかに境内での時間を楽しむ姿に、どことなく露店を楽しめることへの喜びがうかがえました。

今だけ!夏限定のポップアップ御朱印

社務所に立ち寄ると、狙っていた限定の「ポップUP!!羽田神社神輿 朱印」は、大人気のため午後には売り切れていました…が、ご厚意で昨年のものを見せていただけました。

立体的なデザインがとっても豪華で、飛行機の御朱印が羽田神社らしさ抜群。御朱印集めをしていない人でもキュンとくるデザインに、灼熱の中でもパッと気持ちがはなやぎました。
羽田神社は航空安全祈願ができることから、飛行機を模したかわいいお守りなどもあるので、ぜひチェックしてみてださい。

羽田神社では、この取材が無事に終えられることを祈願して、お神輿が出発する「天空橋」駅に向かいました。

空にたなびく大漁旗!いよいよメインイベント「神輿パレード」スタート

弁天橋に向かって歩いていると、潮の香りがしてきて、海のすぐそばということを実感できました。空高く登った大漁旗を目印に歩けば、お神輿の出発地点である弁天橋に辿り着けました。この漁師旗は、羽田神社からもほど近いこのエリアがかつて漁師町だったことに由来しているのだとか。


町内神輿連合渡御(神輿パレード)がスタートする15時に近づくにつれて、どんどん担ぎ手や地域の人々が集まってきて、いよいよ本番が始まるという、嵐の前の静けさが訪れました。近隣の建物の窓から多くの住人が顔を覗かせていることからも注目度の高さがうかがえます。

この日2基目のお神輿が進み出すと、ギャラリーの視線が一気にお神輿に集まります。午前中と比べるとさらに担ぎ手との距離がとても近く、拍手する地域の人々や写真撮影をする報道関係者など熱気を帯びる会場の様子に、これまで感じたことのない興奮を覚えました!

左右にダイナミックにお神輿を揺らす「ヨコタ担ぎ」

羽田祭りでは、ただお神輿を担ぐのではなく、羽田に伝わる「ヨコタ担ぎ」という独特な担ぎ方をします。この担ぎ方には、かつて漁師町として栄えた名残から、大波に大きく揺れる船を模しているという説があります。

「倒れちゃう!!」とびっくりするほど、お神輿が左右に大きく揺れるため、目の前を数基のお神輿が通り過ぎても、何度でも見入ってしまうほどです。
厳しい暑さの中、気合いを入れるように「よいっしょー!」「えいやっさー!」と思い思いに叫びながら全力でお神輿を揺らす担ぎ手の姿がかっこよくて感激です!!

太鼓や笛の生演奏でお祭りを盛り上げるおはやし隊は町内ごとにいるようで、通りには常に演奏が響いていて、軽快な音色が涼しげで束の間の癒しを与えてくれます。

各航空会社の客室乗務員さんも多数参加!

大田区には羽田空港があることから、羽田神社にはANAやJALなど航空会社のみなさんも安全祈願に訪れます。羽田祭りの際になると毎年、オリジナルのうちわや飲料を配っているそうで、この日も多くの航空会社の職員さんがボランティアスタッフとして活躍していました。

賑やかなお祭りに、親切なおもてなしでさらに花を添える姿に頭が上がりません。

羽田祭りで配られたオリジナルうちわには、いくつかのデザインがありました。 美しい機体がプリントされたうちわは、飛行機マニアであればついコンプリートしたくなるのではないでしょうか。

お祭りも終盤!お神輿が羽田神社に到着

1日を通して全14基のお神輿が通る間中、ずっと盛り上がり途切れることなく、たくさんの参加者がお神輿の行方を見守る様子がありました。
弁天橋から羽田神社までを3時間ほどかけて進むお神輿の列と一緒に、地域住民もゆっくりと歩いて行きます。

担ぎ手も、最後まで力を振り絞って豪快なヨコタ担ぎを披露してくださり、おはやしの音色と地域住民の拍手もあわさり、会場に一体感が生まれていました。令和のこの時代に、地域の人々がこれほどまでに全力になって何かに取り組む機会はなかなかないでしょう。そう思うと、このお祭りに参加できたことがとても感慨深く感じられました。

すべてのお神輿が羽田神社に到着すると、羽田青年連合会のみなさんが、14基を無事におさめられたことへの感謝を述べられました。

大田区の羽田祭りは、ヨコタ担ぎや大漁旗など、見どころ満載の夏祭りです。地域の人々が一体となり、熱気に包まれるこの場所で、温かい歓迎と共に羽田の伝統を肌で感じる貴重な経験ができます。担ぎ手は町内の人々が中心ですが、お神輿を見たり露店を楽しんだりするなら、誰でも気軽に参加できるのがこのお祭りの魅力。次の夏、ぜひあなたもこの熱気と感動を体験し、地域の温かさに包まれてみませんか?

【羽田神社 夏季例大祭】

開催場所:羽田神社
所在地:東京都大田区本羽田3-9-12
開催日時:毎年7月 最終土曜日・日曜日
アクセス:京浜急行電鉄「大鳥居」駅より徒歩約5分
TEL:03-3741-0023
公式HP:https://www.hanedajinja.com/index.htm

本記事のライター:なにゃん

プロフィール:
年間30以上のホテルに宿泊するトラベルライター。オシャレな空間と甘いスイーツが大好きで、全国各地の宿泊施設やカフェを訪れることをライフワークにしている。取材・ライティングを通して地域の魅力を発信することに喜びを感じている。
都会と田舎の両方のよさがある大田区の豊かな環境がお気に入りで、公式PRキャラクター「はねぴょん」も大好き。電車や店先ではねぴょんを見つけるとつい写真を撮ってしまうほど。

監修:松本里美/三好順