洗足池といえば、やっぱり「洗足池公園」が有名です。春には桜、秋には紅葉が楽しめて、毎年たくさんの人で賑わう定番スポット。私も昨秋は紅葉を見に行って、改めて洗足池公園の豊かな自然とその美しさに感動しました。
参考:洗足池で紅葉を撮影! 映え写真大会&カフェ巡りの日帰り女子旅
でも、洗足池エリアで公園遊びやお散歩が楽しめるのは、洗足池公園……だけじゃないんです! 駅を挟んだ反対側に進むと、「小池公園」という穴場スポットを発見。ここには四季折々の自然が楽しめる遊歩道があり、小規模だけど遊具も設置されていて、地域の方の憩いの場になっているのだとか。
のんびりするのにぴったりだと思い、近くのお店でスイーツを買って、ちょっとしたピクニック気分でお散歩してみることにしました!
洗足池駅を出てすぐの場所にある商店街沿いで見つけたのは、地下へと続く入り口が印象的なお菓子屋さん「パティスリーアカネ」です。甘い香りに誘われ、階段を下りてお店のドアを開けると……
さらに濃厚な甘い香りが私たちを包み、まるでお菓子の世界へ迎え入れてくれるよう。
味のある木目の床やテーブル、そして白いタイル張りのカウンターというあたたかな雰囲気。所狭しと並んだお菓子の賑やかさも加わり、キュンとくる空間が広がっていました!
オーナー・シェフの田中さんは、結婚を機に大田区に移り住み、2007年にアパートの2階に小さな焼き菓子とケーキのお店をオープン。その後、2012年に現在の場所へ移転しました。
イートインスペースを併設した店内には、焼き菓子が25種類ほど、生ケーキが20種類近く並んでいます。
田中さんのご実家が養鶏場だったことから、その仕事を何かしらの形で引き継ぎたいと考え、最初にお店をオープンした頃はご両親が作った卵を販売したり、その卵を使ったお菓子を販売したりしていたそうです。
その後養鶏場は閉じられ、お店も移転しましたが、現在も生地やクリームの素材選びにこだわったお菓子作りをされています。
「派手ではないけれど、食べたら必ず『美味しい!』と感じてもらえるお菓子を作りたい」と語る田中さん。
お菓子は、嬉しいときや楽しいとき、誰かを励ましたいとき、お祝いのときなどに食べたり贈ったりするものです。そんなときに人の気持ちを代弁するものとして、「食べた人が気持ちのスイッチを切り替えられるようなケーキを提供したい」とも話してくださいました。
そのため、ケーキのデザインや味はもちろん、ラッピングにもこだわっています。春やお正月など、季節ごとに内容を変え、贈る人の気持ちがより伝わりやすいよう工夫を凝らしているそうです。
たくさんの焼き菓子があって迷いましたが、お店の中でも特に人気だという「スノーボール(3個入り)」(307円) など、いくつかのお菓子を購入することに。
お会計時に、カウンターの奥に目を向けると、ちょうど大量のスノーボールが出来上がるところでした! ふんわり甘い香りが広がって思いがけず嗅覚と視覚が刺激され、とっても癒やされます。
「スワンシュー」(432円) も人気商品です。レトロかわいい見た目と飽きない美味しさに定評があり、手土産として購入されることが多く、幅広い世代から愛されているといいます。
所在地:東京都大田区上池台2-31-11 モダンフォルム上池台B1F
アクセス:東急池上線「洗足池」駅から徒歩約2分
TEL:03-6426-8332
https://www.p-akane.com/
かわいいお菓子を選ぶ時間ですでに心が満たされそうになりましたが、肝心なのは実食!と小腹を空かせて小池公園に向かいました。
パティスリーアカネを出て10分ほど、坂を登ったり降りたりしながらたどり着いたのは、住宅街の中に突如現れる開けた空間「小池公園」です。
洗足池=大池に対して、小さな池(ため池)であることから小池公園の名前がついたそう。
池の周りは抜け感があり全体を見渡せます。人が少なくゆっくりぼーっとできそうな場所を、歩きながら探してみました。
散歩道はきれいに整備されていて歩きやすいです。橋の上から、池を泳ぐ野鳥が橋をくぐる様子を眺める……、何気ない幸せな時間にうれしくなりました。
遊具も設置されていて、子どもたちが楽しそうにはしゃいでいる声と鳥の鳴き声が心地よく響き渡っていました。
パティスリーアカネで購入したお菓子たちを、ベンチに並べて記念撮影。スワンシューの奥に池を写り込ませると、スワンが池を優雅に泳ぐ姿が想像できます。
自宅でスイーツを楽しむ時間もいいですが、シュークリームや焼き菓子は食器などの用意をしなくても食べられるので、屋外でいただくのにぴったりです。
スワンシューは、ふわとろな質感のカスタードとあっさりした味わいのクリーム、しっかりとした質感と香ばしさが特徴の生地のバランスが絶妙で美味しい!!
1個が大きめのスノーボールは、中のナッツがザクザクとした食感で食べ応え抜群! 「チョコフィナンシェ」(432円) は、チョココーティングされたサクサク食感の生地があと引く美味しさでした。手袋のデザインがかわいい「アイシングクッキー」(475円) は、クッキーとアイシングにしっかりと厚みがあって、満足度の高いスイーツ。どれも美味しくて、寒さも気にせず頬張ってしまうほどでした!
小池公園にはお手洗いやベンチもあり、ピクニックや読書など、ちょっとした休息に訪れたくなるような穴場スポットです。池に映る夕日や雲が美しく、誰かに教えたくなるような、でも秘密にしておきたくなるような気持ちになりました。
せっかく洗足池を訪れたので、家族への手土産をゲットするべく、東急池上線「長原」駅方面に向かいつつ目指したのは和菓子店「wagashi asobi(ワガシアソビ)」です。
商店街を横道にそれた場所にひっそりあるカウンターのお店を見つけたとき、隠れた宝物を見つけ出したようなときめきを覚えました! 一味違ったスイーツがいただけそうな予感がします。
2011年にオープンした「wagashi asobi」は、和菓子職人の浅野さんご夫妻が営んでいます。商品のラインナップはシンプルで、「ドライフルーツの羊羹」(2,500円)、 「ハーブのらくがん」(500円)、 「かならずや 勝最中(5個入り)」(2,000円)の3種類。看板商品であるドライフルーツの羊羹は、友人から「パンに合う和菓子を作れないか」と依頼を受けたことをきっかけに考案したそうです。その見た目の美しさや奥深い味わいが評判で、メディアにもよく取り上げられるとか!
「地域の人たちが自慢できる手土産を作りたい」という思いが込められたドライフルーツの
羊羹は、「大田のお土産100選」にも選ばれ、地元で愛される銘菓に。
この羊羹を求めて遠方からお客さんが訪れることもあるといいます。そんなときにできるだけ売り切れていることがないように、ほぼ毎日仕込みを行い、常に店頭に並ぶよう工夫しているそうです。
「作れる数が限られるので、来ていただいた方に優先的にお渡ししたい」との思いから、通販は行っていません。お取り寄せできるスイーツも魅力的ですが、お店に足を運んでこそ出会える特別なスイーツも素敵!そんな希少性も相まって、ギフトとして贈れば、より一層喜ばれそうだと感じました。
自宅に帰って、「wagashi asobi」のおふたりに教えていただいたドライフルーツの羊羹の楽しみ方を早速試してみることに
シンプルなバゲットにバターと薄くスライスしたドライフルーツの羊羹を挟めば、洋風のあんバターサンドの完成! 口どけのいい羊羹の部分と、しっかりとラム酒に漬かったイチジクなどのドライフルーツと黒糖の甘みが調和し、奥深い味わい。シンプルながらも贅沢な美味しさで、一口ごとに幸せを感じられました。
バターの代わりにクリームチーズと一緒にいただいても美味しいのだとか。羊羹をそのままではなく何かと合わせていただくのはとても新鮮で、新しい和菓子の楽しみ方を体験できました!
自然由来の素材だけで作ったというハーブのらくがんは、想像以上に強く味と甘みを感じられて、コーヒーやお茶と合わせていただいても負けない存在感があります。
こんなにおしゃれな手土産があるとは……、長原や洗足池に住んでいる方がうらやましい!
所在地:東京都大田区上池台1-16-2
アクセス:東急池上線「長原」駅から徒歩約1分、東急池上線「洗足池」駅から徒歩約9分
TEL:03-3748-3539
https://wagashi-asobi.com/
広々とした洗足池公園には見どころがたくさんありますが、少し足を伸ばして小池公園を訪れると、洗足池公園とはまた違った、落ち着いた空間が広がっています。そんな穏やかな場所でお気に入りのお菓子を味わう時間は、忙しい日常を忘れさせてくれる贅沢なものです。
今回のお散歩では、隠れた名店でスイーツを楽しみながら、小池公園でのんびりとしたひとときをすごしました。ご紹介した2店舗は、どちらも手土産にぴったりのお菓子が揃っています。大田区にお住まいの方は、区外の方への贈り物に。大田区を訪れた方は、旅の思い出に持ち帰ってみてはいかがでしょうか?
さらに、大田区には、馬込・池上・洗足池を総称した「馬池洗(まいせん)」と呼ばれるエリアがあります。カフェ巡りが楽しい馬込、池上本門寺をはじめとする多くのお寺がある池上など、観光におすすめのスポットが満載。ぜひ、馬池洗エリアでのひとときを楽しんでみてください。
本記事のライター:岩井なな
プロフィール:
大学時代にオーストラリア、アメリカ、フランス、タイへの一人旅を経験。ローカルとシティ、どちらで遊ぶのも好きで得意。そのため、休日には全国のおしゃれホテル巡りをし、宿泊やアフタヌーンティーを楽しむ。
現在は、東京都と富山県の2拠点生活を送るインタビュアー・取材ライターとして、ビジネスメディアや観光メディアを中心にWEBと紙面で活動中。可愛いキャラクターが大好きで、大田区公式PRキャラクター「はねぴょん」がお気に入り。
監修:松本里美/三好順