11月下旬、紅葉のシーズンとなり「大田区にも紅葉を楽しめるスポットはないかな~」と思って調べていると、「田園調布」駅の前にキレイなイチョウ並木があるという情報を発見……!
ネット上にアップされた写真を見てみると、黄色く染まったイチョウが陽の光に輝いている様子が、最高に写真映えしています!! 赤く色づくモミジの「紅葉」もいいですが、街中で見られるイチョウの「黄葉」もまた、秋の風物詩としてとっても魅力的です。
「これはシーズンを逃してはならないぞ!」と思い立ち、カメラを手に田園調布駅に向かいました。そのままでも美しいイチョウですが、その魅力を120%引き出せるよう、この機会に撮影のコツも研究してみます。
今回訪れたのは、東急東横線・東急目黒線「田園調布」駅。改札を出ると、おしゃれなカフェやレストランが並んでいて、その周りには閑静な住宅街が広がっています。
ちなみに上の写真は、「東京急行」となっていることからもわかる通り、現在は使われていない旧駅舎(現役の駅舎の近くにあります)。こちらも絶好の写真映えスポットだったので、後でご紹介します。
街全体がまるで観光地のように美しく整備されている田園調布エリア。自然と調和した町並みは高級感がありながらも、歩いているだけで不思議と心が落ち着く場所です。
「ここにどんなふうに黄葉が広がっているんだろう?」と、ワクワクしながら改札を出て西側に進んでいくと、噴水のあるのどかな雰囲気をした池を挟んだ先に、イチョウ並木が見えてきましたよ!
田園調布駅を中心に放射線状に広がった道路のうち、3本がイチョウ並木になっている様子。
ちなみに、駅前の石碑には「田園調布の由来」が記されていました。この放射線状に区画整備された特徴的な街並みが建設された歴史は、大正7年から始まっているようです。当時、実業家・渋沢栄一が、英米に現れ始めた「田園都市」に着目し、都会と田園との長所を兼ねた模範的住宅の実現を望んだのだとか。
歴史を知ることで、田園調布にも何だか愛着が湧いてきます。地図を見ると、放射線状になった道路の姿をわかりやすく見ることができるので、ぜひ田園調布駅を訪れた際は、スマートフォンでマップを開いて見てみてください!
さっそくキレイなイチョウを撮影するために、イチョウ並木に向かいます!
高くそびえ立った木に近づいてみると、私が行ったときにはまだ、すべての葉が黄色く染まり切ってはいませんでした。でも逆に、鮮やかな緑と黄色のコントラストが季節の移り変わりを感じさせて素敵です。
「きれい……!!」
並木道を奥へと進んでいくと、そんな声が漏れてしまうほど、さらに美しいイチョウがその姿を見せてくれました。この日はよく晴れていたので、イチョウの葉一枚一枚がキラキラと輝きながら、風に揺れています。
どうやら、太陽光がよく当たっているところほど、美しく色づいているみたい。まるで黄色い花束がいくつも並んでいるような光景は、見ているだけでも心が癒やされました。
道路の途中にはいくつも横断歩道があるので、車に気をつけながら横断歩道の真ん中で写真を撮ると、イチョウのトンネルの中にいるような写真が撮れますよ!
せっかくカメラを持ってきたので、イチョウの魅力を引き出せるような撮り方を研究してみました。まずは、形の良いイチョウの落ち葉を見つけて、手に取ってパシャリ。
イチョウと手に焦点を当てると背景がボケて、1枚の落ち葉の可愛らしさがより強調された写真になりました。
ちなみに、スマートフォンのポートレートモードを使って撮影するときは、画面内のすべてがボケてしまうことがあるので注意が必要! 背景だけボカして撮れるよう、距離感に気をつけて撮影してみてくださいね。
並木道を歩いていると、木の方ばかりを眺めてしまいますが、少し目線を下げて足元にも注目してみると、新しい景色が見えてきます。
イチョウの落ち葉が敷き詰められた場所に立って足元を写したら、まるで映画のワンシーンのような写真が撮れました!
足元を撮ることを見越してお気に入りの靴を履いていくと、さらに思い出に残る1枚になりそうです。
イチョウの絨毯にクローズアップして撮った写真も、どこかエモーショナルな雰囲気に。目線を変えて、さまざまな角度からイチョウを観察してみると、こだわりが詰まった自分だけの世界観が表現できるはずです。
イチョウと青空のコラボレーションも写してみました。雲一つない晴れ渡った空の色と、鮮やかな黄色が互いを引き立て合って、さわやかな画面に仕上がりました。
この日はあまり風が吹いていませんでしたが、よく風が吹く日なら落ち葉が舞い上がる幻想的な様子が撮影できるかも。
3本の並木道を巡ってみると、同じイチョウの木でも、それぞれの道によって違った表情を見ることができました。こうして広角レンズで撮ってみると、枝を広げたイチョウの迫力が伝わってきますよね。
並木道を歩いていると、イチョウ並木をスケッチしている方や、お子さんと一緒にイチョウと記念写真を撮っている方もいて、それぞれが思い思いに秋の訪れを楽しんでいる様子に心が温まりました。
3本の道をすべて歩いても、所要時間は20分程度なので、軽いお散歩コースとしてもオススメです!
イチョウ並木を見に行く際に、気になる建物を見つけたので、帰りに立ち寄ってみることに。それが、田園調布駅の西側に佇む「旧駅舎」です。
こちらの旧駅舎は、1923年に開業した東急電鉄「田園調布」駅の当時の姿を復元したものなのだそう。1990年に1度は解体された旧駅舎でしたが、2000年に駅のシンボルとして当時の姿のままに建て直されました。
なんともかわいい雰囲気のある、お城のような特徴的なデザインの屋根は、「マンサード屋根」という欧州中世紀の民家の作りをモチーフにしているのだとか。
「関東の駅百選」にも選ばれており、地域の人々に愛される田園調布駅の人気スポットになっています。
レトロでかわいい旧駅舎は、イチョウと一緒に写すと、さらにおしゃれな雰囲気に! 旧駅舎の前、噴水のある池のそばにあったベンチに座りながら、午後の日向ぼっこを楽しみました。
田園調布駅の周辺を歩いてみると、おしゃれなカフェやレストラン、パティスリーなどお散歩の帰りに立ち寄りたいお出かけスポットをたくさん見つけました!
マップ上で調べてみると、その他にも公園やお寺、美術館もあるみたい。普段はなかなか訪れないエリアでも、こうしてきっかけを見つけて足を運んでみると、また新たな魅力が見つかることってありますよね。
イチョウや旧駅舎など、田園調布エリアで撮影した素敵な撮影は、ぜひSNSに投稿してみてくださいね!
本記事のライター:目次ほたる
プロフィール:
海外旅行も未経験な旅初心者。取材をきっかけに旅の魅力を知り、まずは国内旅行を楽しむために、身近な地域から行ったことのない都道府県まで、魅力的なスポットをリサーチ中。
着物や茶道をはじめとした日本文化が大好きで、歴史を感じる町並みを訪れるのが趣味。そのため、休日はカメラを持って古き良き街を散策したり、美術館や博物館を巡っている。
現在は、都内でフリーランスライターをやっており、取材記事やインタビュー記事を中心に執筆。大田区の好きな駅は、東急池上線の池上駅。
監修:松本里美/三好順