冬は草木の枯れるもの寂しいイメージがありますが、そんな冬でもきれいな花を咲かせてくれるのがシクラメンです。大田区の馬込(まごめ)は実はシクラメンの産地として有名。11月上旬からは「馬込シクラメン園」で期間限定での販売もあるそう。
ちょうど引っ越しを予定している友人がいるので、シクラメンをプレゼントするのも特別感があっていいかもしれない! それに誕生日を迎える友人もいるので、その人にも何か贈りたい……。馬込駅周辺を地図で見ていたら、ギフト専門のショップも発見。これはちょうど良いかも。
ということで、馬込へプレゼント探しに出かけてみました。素敵なプレゼントは手に入るでしょうか?
都営浅草線「馬込」駅のA1出口から外に出たあと、南西に向かって坂道を登ったりくだったりしながらたどり着いたのは、「馬込シクラメン園」です。住宅街を進んでいくと、突然ハウスの屋根がいくつか見えてきて驚きました!
看板の文字のレトロなフォントが特徴的で、思わずパシャリ。そうしているうちに、「馬込シクラメン園」を運営されているご夫婦がこちらに気づいて、園内へと笑顔で迎え入れてくださいました。
ハウスに入ると、びっしりと整列したシクラメンが。その迫力に、思わず「おーーー!」と声が漏れてしまいます。
シクラメンは、花の少ない秋から冬にかけて見頃を迎えるちょっと珍しい植物です。園内には8棟のハウスがあり、そのうちのいくつかは一般の方に開放されていて、自由に立ち入ってシクラメンを鑑賞したり購入したい花を選んだりすることができます。
「馬込シクラメン園」では、約30品種のシクラメンを取り扱っているそう。ピンクやホワイト、赤といった女性ならとくにときめきを感じる色と、真っ直ぐに伸びた花の茎、土が隠れるほど生い茂った葉っぱ、絶妙なバランスで成り立つ美しさに、思わずうっとり。
両側にシクラメンが咲いている一本道を通るのは、夢のような時間。23区内でできるとは思えない体験で、何十分、何時間いてもいいと感じたほど見応えがありました。
シクラメンは大きさによって4号から7号までラインナップされています。
とくに出来がいい「特選」の札がついたシクラメンは、馬込シクラメン園のご主人が選出。お歳暮として贈るためにまとめて購入する人が多く、特選の花から買い手が決まっていくとのことでした。
確かに、特選のシクラメンは背が高かったり葉っぱがイキイキしていたりとより凛とした印象に感じられました。もし自分がもらったら、思わず感激してしまいそう。
ただ今回は気軽なプレゼントにしたかったので、3,500円から10,000円ほどする特選のシクラメンではなく、4号よりも小さいミニシクラメン(1,000円)を選ぶことにしました。一人暮らしの家にちょうどいいサイズ感で、友人の引っ越し祝いに向いていそうです。
どれも綺麗なので、これは選ぶのが難しい…と悩んでいたら、ご主人が「直感を大切にして選ぶといいですよ」とアドバイスをくださいました。
それならば!と私が直感で選んだのは「底紅(そこべに)」というバイカラーになったシクラメン。こんなにオシャレなデザインなら、きっと友人も喜んでくれるだろうな~。
シクラメンの鉢を入れるカゴも販売されていました。人に贈るときに添えると、すぐにおうちのインテリアに馴染んでくれそう。
「馬込シクラメン園」は、この場所でおよそ60年間にわたって運営されているそうです。口コミで毎年シクラメンを買いに来る人が途絶えないというのも納得の、満足の行くギフト選びができました。
所在地:東京都大田区中馬込3-20-13
アクセス:都営浅草線「馬込」駅から徒歩約10分
TEL:03-3771-5901
https://www.ja-tokyochuo.or.jp/farmstand/detail/955
「馬込シクラメン園」から馬込駅方面に戻りつつ散歩をしていると見つけたのは、「甘藷 生駒(かんしょ いこま)」という、大学いもなどサツマイモ菓子の専門店。コンパクトなお店にどんどんと人が吸い込まれていく様子から、ここが人気店だとすぐにわかりました。
サツマイモを使った商品のみという強気のラインナップはさすが専門店……! お芋好きの私には、お芋スイーツが黄色というよりは黄金に輝いて見えました。
「甘藷 生駒」という文字の並びの渋さとは裏腹に、お店構えは新しくてギャップを感じました。「甘藷 生駒」には昭和5年に芋問屋として商売をスタートさせたという歴史があるそうです。
お店のご主人からは、米俵ならぬ芋俵で芋を運んでいたというお話をうかがい、お店の歴史の深さを感じます。
看板商品は、大学いもです。ゴロゴロ大きめにカットした芋を使用した一般的なものと、10円玉と同じくらいの薄さにスライスした「うすぎり」タイプのものが販売されていました。
運がよければ、お店のお母さんが素早く芋の皮をむいてカットしていく姿が見られるかもしれません。繁忙期の冬季は1日に60kgの芋をさばくこともあるのだとか。体力とセンス、どちらも兼ね揃えた芋さばきの技術に見入ってしまいました。
「甘藷 生駒」では、人気の大学いもであっても大量に作り置きはせずに、売れた分だけ作り足していくそうです。そのため、店内から厨房でお芋スイーツを作る姿が見られ、ちょっと貴重な体験となりました。
スウィートポテトも2種類販売されています。紫色の千葉県産「パープルスイートロード」を使用したスウィートポテトは、冬季限定でのお取り扱いとのこと。それを聞いたらもう、絶対に買って帰る!という気持ちにならざるを得ないなあ。
スイーツに合わせて芋の品種を変えることで、最大限美味しくなる工夫がなされているところも素敵。それぞれの芋の特徴をよく知っているからこそできることだと感じました。
お芋好きとしては全種類を買い占めたいところでしたが、今回は「大学いも 大」(700円)と「スウィートポテト」(1個150円)を選択。
こんなに美味しそうなお芋スイーツ、家族にも食べてもらいたい!と思ったので、お土産の分も買っておきました。
2品種の芋を使っているスウィートポテトは、品種による味や食感の違いを楽しみながらいただきました。
店頭で販売されている「タレ」(70円)で追いタレをすることで、ビジュアル・味ともに最高な美味しいお芋スイーツが完成! どちらかといえばさっぱりとした甘さのタレは、溺れるほどたっぷりかけていただいてもしつこくないです。
黄色のスウィートポテトは徳島県産の鳴門金時という品種で、ねっとりした食感。紫色のスウィートポテトは千葉県産のパープルスイートロードという品種で、ホクホクした食感が特徴的でした。スウィートポテトを食べ比べするのは初めてでしたが、それぞれの違いを感じながらいただくのはとても面白かったです。
上品な見た目の「甘藷 生駒」のお芋スイーツは、手土産の選択肢としても覚えておきたいと思いました。家族経営の温かい雰囲気で、常連さんが多いのも納得です!
所在地:東京都大田区北馬込2-27-11
アクセス:都営浅草線「馬込」駅から徒歩約5分
TEL:03-3774-2955
https://japanese-cheap-sweets-shop-92.business.site/
「甘藷 生駒」から、さらに馬込駅の方へ歩くと、ギフトショップ「Gift Communication(ギフトコミュニケーション)」が坂道に沿うようにありました。お店の外から見てもたくさんのアイテムが置いてあるのがわかって、どんなものに出会えるのかワクワクしながら店内に足を踏み入れました。
オシャレで明るい店内には、爽やかな香りが漂っていました。店頭で販売されているフレグランスの香りのようです。
「Gift Communication」は「ありがとうを伝えよう」をコンセプトにしたお店。「インナーケア」「スキン・ベビーケア」「ベビーグッズ」などのアイテムを、トレンド感とお客様の声を意識したセレクトで取り扱っているそうです。
高感度でハッピーな商品ラインナップに、最近お誕生日を迎えた友人、出産を控えている友人などの顔が思い浮かび、いくつかギフトを選んで帰りたくなっていました。
3年半ほど前に馬込にオープンした「Gift Communication」では、これまでにいくつかのオリジナルグッズを企画・販売しているそうです。
手書きロゴのプリントがこなれ感を演出するトートバッグは、自分用やカジュアルギフトにぴったりだと感じました。使い勝手も良さそう!
ここでは、トレンドに敏感なオシャレな友人への誕生日プレゼントを選ぶことにしました。
発売されたばかりの「ミオプロテイン」(3,000円)は、パーソナルトレーナーや整体師などが関わり7〜8か月ほどかけて開発を行ったという「Gift Communication」渾身のオリジナル商品。
乳酸菌や食物繊維など、とくに女性が美しくあるために必要だと考える成分をできる限り多く配合したそうです。
友人に日頃からプロテインを飲んでいると聞いていたので、ぴったりのギフトだと思い購入しました。プロテインをギフトとして選んだことはありませんでしたが、これならパッケージも可愛いので、贈る側も自信を持ってプレゼントすることができそうです。
「Gift Communication」では、紙袋やギフトカードなども取り扱っていて、ギフト選びに迷ったときや急にギフトが必要になったときに立ち寄れるありがたいお店です。
高感度でオシャレなアイテムが多くて、個人的には情報収集の場としても活用していきたいと思いました。
所在地:東京都大田区北馬込2-32-7
アクセス:都営浅草線「馬込」駅から徒歩約1分
TEL:03-6429-9566
https://gift-communication.com/
馬込でプレゼント探しに出かけたら、素敵なお散歩旅になりました。普段はなかなか訪れないシクラメン園やサツマイモ菓子の専門店、ギフトショップで素敵なギフトを手に入れることができました。
どのお店の方も親切で相談しやすかったので、ギフト選びに迷ったらまた訪れたいです!
馬込は、「馬池洗(まいせん)」と呼ばれるエリアに含まれています。馬池洗は東京都大田区中央部にある馬込・池上・洗足池地域を指す呼称のこと。池上には和スイーツがいただけるお店がたくさんありますし、洗足池は一人でゆっくりお散歩するのにも最高です。馬込に行く際には、ぜひ池上や洗足池にも足を運んでみてくださいね。
本記事のライター:岩井なな
プロフィール:
大学時代にオーストラリア、アメリカ、フランス、タイへの一人旅を経験。新しいもの、歴史を感じるものに関わらず、美しい建築に目がない。そのため、休日にはオシャレホテル宿泊、美術館や図書館巡りをして過ごしている。
現在は、東京都と富山県の2拠点生活を送る取材・インタビューライターとして、旅メディア・地域情報メディアを中心に活動。可愛いキャラクターが大好きで、大田区公式PRキャラクター「はねぴょん」がお気に入り。
監修:松本里美/三好順