“住みたくなる”気持ちの答えを探して
【モノづくりのまちに住みたくなるツアー・的羽 佑菜さん、中西 豊さん、長谷川帆奈さん(横浜国立大学)】
モノづくりのまち大田を暮らしの面から捉える「モノづくりのまちに住みたくなるツアー」。”住みたい”とはどういうことなのか?その答えを探す企画者のみなさんにツアーの魅力を伺いました。
「モノづくりのまちに暮らす」
ーーそれでは、企画の概要をざっくり教えてください。
中西:「モノづくりのまちで暮らす」ことをテーマに、町工場やお店、暮らしの魅力となるようなスポットを巡るツアーです。工場の多いまちならではの日常風景を見たり、新田丸※1のまちでのさまざまな暮らし方を提案させてもらったりすることで、実際にこのまちに「暮らす」イメージを持ってもらえたらと思います。当日のツアーでは数か所しか巡ることができないのですが、今回は訪問しなかったスポットの紹介や、企画チームで撮影した写真を集めたパンフレットを参加者の方にお渡しする予定です。
※1 新田丸…東急多摩川線沿いの武蔵新田駅・下丸子駅周辺エリアのこと。
ーー企画を考えたきっかけはどのようなことだったのでしょうか?
的羽:きっかけは、住工共生のまちをモノづくりだけでなく暮らしという面から紹介したいと思ったことです。
中西:僕たちはまちづくりを専攻する研究室に所属しているのもあって、町工場の職人さんや技術のことだけでなく、「町工場があるまち」について伝えたいと思い、この企画を考えました。
長谷川:私はアイデンティティがあるまちって素敵だなと思っていて、新田丸のエリアはまさに、モノづくりというここならではの魅力があるまちだと感じました。その魅力をもっと伝えるにはどうすればいいか、と考えたのがきっかけです。
ーーどんな方にツアーに参加してほしいですか?
長谷川:町工場に興味がある方はもちろん、町工場があるまちでの暮らしに興味がある方にも参加してほしいです。ツアーの中では、作業着姿の職人さんがまちなかを歩いているようすが見られたり、どこか懐かしい雰囲気のお店があったり、下町の風景が感じられると思います。
一方で、やはりモノづくりが息づくまちなので、一品物の製品と出会いたい、DIYが好き、クラフト作品に興味がある、という方にもぜひ参加してほしいです。
「どうしたら住みたくなるのか」の答えを見つけていきたい
ーーツアーの見どころを教えてください。
的羽:町工場のあるまちで暮らすうえでの視点をいくつか考えて、それを踏まえて今回のツアーのルートを考えました。なので、町工場だけでなく商店街のお店なども巡ります。歩いている途中も町工場のそばを通りがかったり、作業着姿の職人さんとすれ違ったりすると思うので、次の目的地に向かうまでの道中も見どころのひとつです。
ーーツアーを企画する中で、心がけたことはありますか?
長谷川:今回、当日のツアーだけでなく、タビマエ、タビアトコンテンツも含めてトータルでまちの魅力を伝えることを意識しました。
中西:一つの企画内で、できるだけ多くの人の声を集めることを心がけました。タビマエコンテンツでは、ツアーでは訪問しない町工場の職人さんに日々の仕事や生活についてのインタビューを掲載していますので、ぜひ読んでみてください。
的羽:私は「住みたくなる」という気持ちについて、自分の中でいろいろ考えました。通勤・通学に便利だから、という理由も当然あると思いますが、実際にはそれ以外の時間のほうが長いはずです。さまざまな暮らし方を提案することで、参加者の方には暮らしのイメージをふくらませてもらいたいし、私たちは「どうしたら住みたくなるのか」という疑問の一つの答えを見つけていきたいです。
私たちのおすすめスポットをご案内します!
ーーでは、新田丸エリアでみなさんがおすすめしたいスポットを教えてください。
中西:東急アーバンテック矢口※2と、その周辺のエリアです。そもそも新田丸には町工場が多いのですが、中でも特にその雰囲気が感じられる場所です。
的羽:私は多摩川が好きですね。河川敷に立ったときに見る広々とした景色や空気感にいつも癒されています。犬の散歩をしている人がいたり、野球をしている少年がいたり、人々が思い思いに活動しているようすを見ることができるのも魅力だと思います。以前、多摩川から富士山が見える、というお話を職人さんに聞いたので、いつか見てみたいです!
長谷川:武蔵新田駅前の商店街です。歩いていると突然神社が現れたり、商店街の中に銭湯があったり楽しいです。私は大学の研究室のプロジェクトをきっかけに武蔵新田を訪れるようになったので、新鮮に感じています。ツアーでもご案内しますので、ご期待ください!
※2 東急アーバンテック矢口…大田区矢口に位置する倉庫・作業場・事務所用の物件。
ーーそれでは最後に、読んでくださっているみなさんへメッセージをお願いします。
長谷川:町工場のあるまちでの暮らしを存分に体感していただけるように準備を進めています。ぜひ「本当に住むなら?」というイメージを持ってツアーに参加してもらえたら嬉しいです。
中西:このインタビュー記事を通じて、「モノづくりのまちに住みたくなるツアー」に興味を持っていただけたら、ぜひ僕たちのタビマエコンテンツもご覧ください。さらにツアーに参加してもらえたら嬉しいです。
的羽:まずは、新田丸のまちの魅力がみなさんに伝わるツアーにしたいです。当日は私たちも参加者のみなさんと楽しみたいです。ぜひ一緒に歩きましょう!
聞き手:手代木 茜
編 集:手代木 茜
取材日:2021年10月14日