株式会社グーテンベルク:ベンチャーフレンドリーを目指す、ものづくりベンチャー

株式会社グーテンベルクは、3Dプリンタの普及とともに、モノづくりに挑戦しようとする人達と町工場をはじめとしたモノづくり企業をつなげるプラットフォームを構築することを目指す2021年2月創業のスタートアップです。
これまでに彼らが歩んだ軌跡、町工場との協力関係、大田で事業を成すことの意義について、代表の李丞株(りーくん)にお話を聞きました。

Manufacturing for everyone. 全ての人にモノづくりの自由を。

ーーーではまず、りーくん達の事業内容を改めて教えてください。

現在は自社製品であるFFF式高速3Dプリンタ「G-ZERO」の開発に全力を注いでいます。
また他社の3Dプリンタも揃えていますので3Dプリンティングサービスも行っていますし、町工場さんや他のモノづくり企業さまとのネットワークを生かして試作開発案件を受託したり、リバースエンジニアリング、測定検査など、モノづくりに関わるサービス事業を幅広く行っています。

ーーー3Dプリンタのメーカーということ?

もちろんそれは事業の軸の一つです。
ただ、私たちはアイデアをカタチにしようとするあらゆる人に対して、モノづくりのリソース、あるいは必要な技術につなげる媒体でありたいと願っています。
そのためのツールの一つが高速かつユーザビリティを追求した3DプリンタG-ZEROであり、モノづくりネットワークとアイデアマンとをつなげるプラットフォームです。

ーーーちなみに「高速」ってどれくらい速いんですか?

まだ開発段階ですが従来の一般的な製品に比べて10倍以上の速さがでています。

ーーー10倍以上!!それは速いですね…!

「ベンチャーフレンドリー」が導いた、町工場×スタートアップの”ゼロ距離連携”

ーーー現在大田区に拠点を置かれていますが、大田を選んだ理由はなんですか?

どうやって事業をつくっていくか考える中で、モノづくり企業との関係構築は絶対条件でした。ある本に大田区のとある町工場が”仲間まわし”と呼ばれるネットワークを活用して人工心臓試作開発など高度な案件を受託しているというのを読んで、自分たちのビジネスと重なる部分があると興味を持ちました。
それが安久工機さんです。「ベンチャーフレンドリー」という構想についても連携できる部分があると思い協力をお願いしました。
その安久工機さんが「もう一社、ベンチャーフレンドリーな町工場があるよ」と紹介してくれたのが、現在拠点を置かせていただいている極東精機製作所の鈴木亮介社長(当時専務)です。
不動産屋とのトラブルや法人口座開設のハードルに引っかかってしまい拠点がなくて困っていたので、出会ってたった1週間でしたが「極東さんの3階に事務所を置かせてくれないか」とお願いしてしまいました 笑。
亮介さん含めみんな驚いていましたが、「りーくん達のチャレンジは極東精機のチャレンジでもある。ゼロ距離で連携しよう」と最終的には快諾してくださいました。
極東精機・安久工機・グーテンベルクそれぞれのノウハウやリソースが補完関係にあるので、現在では事業成功に向けて一緒に取り組んでいます。

ーーーりーくんはグーテンベルクの事業を通じてどんな未来を思い描いていますか?

3Dプリンタなどのツールが普及し、誰もがモノづくりにチャレンジできる環境を目指しています。またモノづくりの基礎的なノウハウを広げ、誰もが町工場のリソースに繋がることができるプラットフォームができ、よりクリエイティブで高度なプロジェクトに挑戦、実現できる世界を作ります。私たちと大田のモノづくりの技術があれば実現可能だと考えています。

ーーーりーくん、ありがとうございました!!

〈取材後記〉
一般に「ハードウェアベンチャーは道のりが険しい」と言われます。
そんな中”ベンチャーフレンドリー”という理念の元に集った町工場とスタートアップが仲間になり、全く新しい事業の想像にチャレンジしています。
なぜ彼らは仲間になることができたのか?ビジネス創出の最前線で何が起きているのか?
現場でじっくりお聞きください!

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